このブログでは、タロットカードの象徴をメインに不定期で連載していきます。引用や参考はこちらのサリーニコルズ著ユングとタロット―元型の旅です。
古くから現代に至るまで不思議な魅力で多くの人の心をとらえるタロットカード。
その起源や使用方法には様々な説があり、今では「オラクル(予言)カード」として、占いやスピリチュアル分野において大活躍しています。
諸説ありますが、タロットはもともと600年ほど前にトランプの直接の先祖として、カードゲームとして使われていました。
占いとして意味付けされてオカルト的要素で使われるようになったのは最近のことです。
そんなタロットの魅力に取り憑かれた一人に心理学者ユングがいました。
ユングは(簡単にいうと)「経験したことがないはずなことでも、人間には人類の進化の中で備わってきた心理的仕組みを無意識に共有している」(集合無意識)という説を述べ、占星術や易の研究もしていました。
そして未来や見えないことを占おうとする多くの遊びや試みを見て、その起源や予知力が集合無意識の深い所にあるパターンの中にあるということにも気づいていました。
タロットに対してもこのパターンを自由に理解できるようになれば「独自の気づき」を拡大させる可能性が開けてくるということに気づいていました。
タロットを心に隠された無意識の象徴として浮かび上がらせ、それが「気づき」となり、意識化へ上がってくると今まで影の部分であったところに光が差し、個性化(自分らしい自分)へと繋がっていくのです。
注意喚起としてひょっこりと顔を出し、ないがしろにしてきた無意識に「気づけ!」と夢と同じようにメッセージをくれるのです。
タロットは先祖の知恵(昔からある変わらないもの=普遍的なもの)への架け橋です。
新しい知恵→個人的な問題を解くための知恵
先祖の知恵→私たちすべての前に立ちはだかる普遍的な問題(あるレベルの人間的な経験に由来するもの)に対して創造的な答えを見出すための知恵
この先祖の知恵は、自分の経験にかかわらずもたらされるもの。上記で述べたように「経験はないけどなぜかパターンとして知っている」というものです。
タロットは人生を生きる上で遭遇する典型的な経験を象徴する絵柄からなる「沈黙のテキスト」です。
「タロットの重要性の本質は、タロットが非常に真実で変容をもたらし得るような人間的な情動から生み出されたに違いなく、人間の深い核心において、すなわち人間の心の最も深いレベルにおいて考えつかれたものである」
と本の著者であるサリーニコルズ氏は述べています。
600年前にタロットが世に出てきたときから、その絵柄の典型的なパターンはそれ以前の昔の人たちから無意識に受け継いできたもの(先祖の知恵)なんですね。
何も知らないであろう赤ちゃんに例えば怖い鬼の画像を見せたり、お化け屋敷に入ったりすると怖がって泣き叫ぶのは普遍的なものとして「知っている」からだと思います。
無意識を意識化してくれる不思議なタロット。
次回からまずは22枚ある大アルカナカードを紹介していきます。不定期連載ですがおつきあいくださいませ。
※タロットの解釈や使い方はそれぞれです。ここに書いてある事が全く正しいとは言い切れません。あなたの直感や感性を大切にしてくださいね。